
今回はいつもよりタイスケが一日前倒しのカタール。昨日はたまたまタイプアップ間際にLT見れたんだけど、終了のフラッグが掲げられた後にトップが何人も入れ替わるエキサイティングなFPだった。
>MotoGP@カタール
うそーん!ヤマハのT・エリアスが予選初日2位!?前回のマレーシアでタイトルを決めたロッシ、予選初日をトップで終わらせ、そのモチベーションとコンセントレーションが衰えていないことを周囲に強烈にアピール。なにより楽しげなコメントが王者の貫禄と余裕を伺わせる。その開発が苦境に陥っていたかに思われていたヤマハのマシンも、ここにきて急速に息を吹き返してきた。それを実証するのがトニー・エリアスの暫定二位というポジションである。
トニーキター!(笑)
もちろん予選とは言えFPだし、これがQPとなれば当然周りの気合いの入り方も変わるから、この二位というポジションも慎重に見なければならないだろうが、いま絶好調のドゥカ勢より前に突っ込んできたというのは注目に値する。まさに急進。まさに躍進。トニー・エリアスはこれまで良くても10番手前後をうろうろしていたことからすれば大殊勲である。若いライダーはこれがあるから怖い。

トニー・エリアスはライディングフォームがキレイだ。コーナーエントリーでちょっと上半身を緊張させすぎる嫌いはあるが、頭は常にマシンセンターに置かれ、腰の移動量の少ないコンパクトなハングオフは、体格的なものからしても、往年のケニー・ロバーツを彷彿とさせる*。前後左右のバランスが良く、破綻の少ないフォームは本来マシンのセッティングに有利に働く。コーナーによってハングオフの量が変わったり、頭の位置がずれたり、左右でフォームが違ったりすると、そのバランスを取るためにセッティングが本筋から外れてしまうことがあるのだ。それがライダーが自身のライディングを意識的に変えることでマシン的な不具合を補っている場合はそれほど大きな問題はないのだが(でも問題だ)、意味もなく左右で無意識にフォームが違うとか、それがサーキットやマシンコンディションによってバラバラだったりすると、マシンセットの大きな基準点のひとつを失ってしまうのである。それに、小柄なライダーほどマシンセット(とその素性)に負うべき部分が大きくなる**ので、きれいなフォームであることは必然から求められることでもある。その点ではトニー・エリアスは近年のライダーには珍しくフォームが落ち着いている。これは使いようでアドバンテージとして活かせる部分であろう。
*両人とも大変小柄。**何故にロッシが基本アドバンテージに劣るマシンで勝てるのかの理由のひとつトニー・エリアスが注意すべきはムラッ気がありそうな自身の精神的な部分である。前戦のマレーシアの予選を見ていると、彼は良いときは良いが、悪いととたんに集中力をなくす傾向があるように見受けられた。セパンはコース幅が広くスピード感が掴みにくいのだろう。ブレーキングポイントが見つからない。あげくオーバースピードでコーナーに突っ込み、曲がりきれずコースアウト。悪態付くようにマシンの上で頭を振る。タンクを叩く。まるでそのミスの全てがマシンに起因するかの如く。以降の走りはひどいもので、ブレーキは途中で止めてしまう、リーンも中途半端で乱暴と、まったく集中力がみられなくなってしまった。まったく、若いライダーはこれだから怖い***(笑)
***スズキのホッパーと似た感じする(笑)しかし場所を移してのカタールではこの大躍進である。ラストは瞬間であるがロッシの前、トップのポジションに位置したことさえあった。マシンセットか、自身の精神状態か、何かがカチンと噛み合ったのだろう。おそらく当人も今回のタイムは「死ぬほど無理して」という感じで出したものではなく、「あれ?出ちゃった_(^^;)ゞ」みたいな感じではないだろうか。本人もいきなりここまで速く走れた理由がいまひとつつかめていないような印象を受ける。
今回のポジションがどうして手に入ったのか、自分の中で租借し、十分に吸収できさえすれば、今後の安定した上位フィニッシュも夢ではないだろう。
そのためにもまずは今日これから行われる予選本戦(QP)である。果たしてこの急場でどこまで自分の走りを高められるか、これから数年後のヤマハの戦力(ロッシが抜けた後)を考えた場合にも、トニー・エリアスの活躍には注目である。