
いま、
昨日施したセッティングでちょこっと走ってきたんだけどね、もうね、最高。バッチリOK(笑)昨日はあくまで走ったときのフィーリングで感じた違和感を解消するには「こんな感じかな」と想定してスタティックでセットしただけだったんだけど、走らせてみるとそれがこれまでにないくらいツボにはまるセットであることが判明した。
フロントのプリロードを抜いたことによって、相対的にフロントの車高が下がり、ターンインでの旋回がこれまでよりシャープになった。旋回のポイントがコーナーのより手前側になったので、コーナーエントリーではいままで以上にアウト側にとどまっていられる。そこからのリーンしている時間が短くなった。短いリーンで一気に向きが変えられる。マシンが寝ている時間、角度がこれまでよりも減少した。
なにより"のんびり"したペースで走っても、きっちり曲がってくれるようになったのが嬉しい。
これまでのデフォルトセットだと、コーナーでは「曲がるぞ!」と気合いを込めて、車速を若干高めに保った状態でエントリーし、フロントにかかるブレーキのGを逃さないように車速を乗せたまま旋回するという部分にかなり意識を割く必要があったんだけど、それがなくなった。あまりフロントフォーク(というかヘッドパイプの位置)のコントロールを気にしないでも、速度なりにかかる旋回Gにフロントを任せても大丈夫になった。ブレーキリリース時の神経質な面がかなり弱まった。フロントの旋回に意識を割く必要が無くなった分、アクセルを開けたときのリヤのトラクションに集中できる。ターンインしてコーナー前半部分で旋回したら即アクセル、という流れがよりスムーズになった。
路面に対するフロントタイヤの追随性も大幅にアップ。これは今日の気温が高め(10度を軽く超えるような春先の陽気)であることも大きな要因だとは思うけれど、昨日走ったときに感じたような、タイヤがやたらはね回るだけで全然路面にタッチしないようなフィールは雲散霧消した。ギャップに対して足が良く動くし、無駄な動きはダンピングでのフォローが効いている。もちろんタイヤの空気圧を適切なものに戻したというのも大きな要因だ。
気になったのは、なにせフロントのプリロードがかかっていないので、そうなると現状デフォルトから一段落とし(柔らかく)にしてあるリヤが、相対的に固く感じるということで、これは気持ち的にはもう一段くらい落としてもいいかなと思わなくもない。
嘘みたいなホントの話だけど、前のプリロードを抜いて、車体が前下がりの姿勢になったせいで、前が見にくくなった(笑)。実際プリロード抜いて下がった車高なんざ2mmか3mmくらいのものだと思うんだけど(ステアリングの位置がそれくらい下がったように感じる)、そのぶん乗車時の前傾姿勢が強まって、これまでどおりにアゴを引いた状態で乗っていると前の景色が見えにくい。だから前に障害物(クルマとか)がある直線ではほんのちょっと上体を起こすか、アゴをあげるかしてやる必要がある。ただこの前下がりの姿勢は、前述したように、コーナリング時にはバッチリきまるので、痛し痒しである。だから、調整余地を残すリヤを一段落とすというのは選択肢だ。それで後ろの車高が少しでも下がれば、視界の問題は多少マシになるだろう。コーナーでの旋回性を損なうことなく車体姿勢を水平に戻すにはどうしたらいいか。今度やってみようと思っている。
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さすがにプリロード全抜きというのはやりすぎじゃねえの、と思って、違和感感じたらすぐに調整できるように、今日はわざわざレンチをポケットに突っ込んで走り出したんだけど、そんなもの必要なかった(笑)僕のR1は、デフォルトでも自分の走りに非常によく合っていると思っていたんだけど、今回のセッティング変更によって、その印象がより高まった。さらにマシンが自分の身の丈にジャストフィットするようになった。
僕は別に公道を速く走ろうとは思ってないからね。安全マージンを十分以上に残したペースで気持ちよく走れればそれでいい。だから、普通の人からしたらプリロード全抜きなんざ腑抜けのセッティングに見えるんだろうけど、それが僕のペースと走りにあっているんだから仕方ない。確実にマシンをコントロールして、思い通りに走り、安全に帰ってくる。そのためにどうしたらいいのかということを僕は考えて、実践しているだけなのである。
あとひとつ言っておくと、足を固くすれば速く走れるんじゃない。速く走るから足を固めていく必要が出てくるのだ。いまだに足が固い方がスポーティに感じるという単純極まる理屈で、自分の走るペースに関係なくサスセットをがちがちにしている人がいるけど、そんな状態で走っても疲れるだけだし、無用な危険を高めるだけだと僕は思う。ついでにいえば、近年のSSは、街乗りペースで考えた場合には、そのデフォルトのサスセットですらあまりにも固すぎるのではないかと思う。SSに乗るライダーのみんながみんな、いちいちコーナーで限界を極めているというのでなければ、自分の走りにあったカタチで、セットアップを探るというのは、安全に楽しく走るためには必要なのではないだろうか。
※追記

[より理想に近づく]
今回の自分のセットアップの方向性を見直して気づいたんだけど、このフロントふにゃふにゃでリヤ固め、というのは、僕がそのライディングスタイルを敬愛して止まないケニー・ロバーツやエディ・ローソンが自身のマシンに施していたセットアップそのものであるということだ。これについてはかつて彼らと一緒のチームで走った平忠彦選手が、何かの雑誌のインタビューで「彼らはリヤを固めるのに比べてフロントはほとんどいじってない。前はふにゃにゃ。あんなセッティングでどうして走れるのか全然分からない」といった主旨のコメントをしていたことが思い出される。
ケニーもエディも徹底したリアステア(バックホイールステアリング)で走っていた。フロントタイヤを使うのはコーナー前半のほんの一瞬。マシンを倒し込んだ瞬間には方向転換の大半を終え、あとはアクセルを開けて可能な限りのリヤのトラクションを使い切って立ち上がっていく。これはフロントの旋回性を無視していたということではない。フロントは倒し込みのときにつく舵角を瞬間最大に使い切れるようにして、あとの旋回性はアクセルを開けることでかかるトラクションと、それによって変化するリヤタイヤのキャンバースラストを利用しているのである。だから彼らのような走り方ではフロントの挙動制御はフリーにする必要があるし、リヤは膨大なトラクションに負けないように固めていく方向になるのである。
今日のセットアップ変更が、僕の英雄たちの走りに、僕の思い描く理想の走りがより具体的に近づいたことの証左であることを願いたい。
注:一方でケニーやエディはステアリングダンパーを猛烈に効かせていたという話も聞く。キャスターも立ち気味傾向。これはあえてフロントを不安定な状態に置くことで瞬間的な旋回性を引き出す分(旋回性と安定性はトレードオフの関係だ!)、そのために倒し込みの際にむやみに舵角がついてしまわないための措置ではないかと思われる。どこでバランスさせるか、ということだろう。たぶん。想像だけど(笑)