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ニッキー・ヘイデンはこのまま終わってしまうのか。

今季、ホンダワークスからドゥカティに移籍した06年のワールドチャンピオン、ニッキー・ヘイデン。だがしかし、ここまでの彼の走りは惨憺たるモノ。予選は言うに及ばず、決勝でも常時バックエンド(というとカッコいいな、要はびりっけつ)を争う状況に、さすがにポジティブな彼も焦りが生まれてきたか。

■Head-scratching for Hayden and Ducati | MotoGP News | 2009 | Crash.Net
http://www.crash.net/motogp/news/146290/1/head-scratching_for_hayden_and_ducati.html

先だってのヘレスでは、トップでフィニッシュしたロッシから1分遅れ、かろうじて新人のカネパの前、完走16台中の15位でゴールするのが精一杯のヘイデン。この原因として一番大きなものは、ブリヂストンのハードタイヤにまったく適応できていないことをあげている。走行時に熱が入れられず、満足なグリップを発生させられないとのこと。また、これはソフトタイヤを履いた場合も同様で、先の決勝ではほとんどのライダーがリヤにハードタイヤを選択しているなか、ヘイデン(とミカカリオとカネパの3人)だけがソフトタイヤをチョイスしているが、それでも必要なグリップを発生させることができなかった。

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「カタール~もてぎと続いた転倒もあって、フィジカル的には多少ナーバスな状態だったんだけど、それが今回の決勝中に思った以上に悪化しちゃってね」と言い訳するヘイデン。

「それに相変わらずフルタンクの時のマシンの挙動に難があって、レース開始直後はかなり苦労したよ。おまけに僕自身も1周目にミスしちゃって。。。ポジション上げようとがんばったら、逆に後ろに下がっちゃったんだ・・・」

「なんとか遅れを取り戻そうとしたんだけど、マシンのセッティングがどこかおかしくて。フロントに履いたハードコンパウンドのタイヤを十分に機能させることができなくて、リヤに履いたソフトタイヤでさえなかなか熱を入れられずにまともに走ることすらできなかったんだ」

「今日のレースではベストタイムが17周目にやっと出たんだけど、それはセッティングの変更がなんらかの功を奏したってことなんだとは思う。僕らはレース後のデータを詳しく検証して、次のレースに向けて何が良かったのかをはっきりさせようと思ってるよ」

「これまでの2回のグランプリで2回の転倒がありましたしね。いまのところ、ニッキーにとってはタフなグランプリが続いています」とはドゥカティのチーム監督、リビオ・スッポ。「次のル・マンまでには多少時間がありますから、私たちはここで一度落ち着いて問題点の整理に努め、少なくともウインターテストの時のニッキーの調子まで取り戻す必要があります。それが出来れば、彼のポジションもおのずと上がってくることでしょう」

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なんだかニッキーのコメントを見ていると、こっちまで気落ちしてくるんだけど・・・。

ドゥカティのマシンについては、現状、というかかねてからストーナー以外のライダーが対応できた試しがなく、これはよほどそのマシン特性が変わっているか、あるいはストーナーのライディングが特殊なのかいずれかが理由(あるいはその両方)であることの証明だとは思うが、仮にもヘイデンはかつてのホンダワークスの雄であり、曲がりなりにも世界チャンピオンにまでなった男である。その彼が、チームを変わり、マシンを乗り換えただけで一気にびりっけつ争いというのはいささか理解に苦しむ。ただ、昨年、同チームに在籍し、辛酸を嘗め尽くしたメランドリが、今年借り物のマシンで走ってともすれば表彰台すら狙える位置にいるということからすると、現在のニッキーヘイデンの苦境というのはマシンへの適応、またタイヤもミシュランからBSに変わったことへの適応が、二重苦としていまの彼に襲い掛かっているものと思われる。

果たしてその解決策は見つかるのか。

いまのところ映像で彼の走りを満足に見られていない(テレビの画面に映る位置にいない)のでなんとも言えないところもあるが、思うにニッキーのライディングスタイルからすると、ドゥカティの重心位置は低すぎるはず。ストーナーのように、高いコーナリングスピードのまま旋回するスタイルであれば、それでもタイヤに十分な荷重がかかり、適切な熱入れもできるのだろうが、ニッキーのようにコーナーにハードブレーキングで進入し、一旦停止の後に全力加速するようなスタイルだと、前後の荷重が分散してしまい、それがタイヤを十分に発熱させることができない理由になっているような気がする。(また、こうした乗り方だとフロントに瞬間的な負荷がかかるのにあわせてリヤの荷重が抜ける割合が増えるので、それもリヤのトラクションを減少させる一因になっていると思う)

これに対処するためには、エンジンの搭載位置を上方かつ後方に移す(双方20mm動かせれば十分:だがドゥカのシャシー構成だとエンジンハンガーが存在しないので実質不可能)のにあわせて、前後の車高も上げ、高い位置からマシンをコントロールできるようにしたらいいのではないかと思う。

ストーナーがトップを狙えるところで走れているので、果たしてドゥカティがヘイデンのためだけにマシンに大幅なモディファイを加えてくれるかについては怪しいところだとは思うが、彼の苦境を救うため、今後ドゥカティのマシンがどのように変更されるか、セッティングを変えてくるかについては注目していきたいと思う。

・・・てか一番の問題は、ヘイデン自身にマシンをセットアップする能力がないことなんだろうけどね。自分で(マシンや乗り方についての)問題点が把握できてないから、具体的な改良点の指摘ができず、乗り方も変えられないし、メカニックも「これでストーナーが走れているのになんで?」と手の施し方が分からないんだ。

ヘイデンの思惑をもっと前面に出して、自分でチーム全体をディレクションしてくようなかたちが取れないと、単に与えられたマシンを走らせているだけでは、この苦境はいつまでたっても抜け出せないと思う。

泣き言いえるのもそう何回も許されることではない。ヘイデンにはがんばってもらいたい。

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