日テレ曰く、「スペインのガキ大将」、ホルヘ・ロレンソ。今季、250ccクラスからコンバートしてきた彼は、シーズン序盤いきなりで猛烈な速さを発揮。PP獲得だけにとどまらず、デビュー3戦目にしてMotoGPクラス初優勝という離れ業を演じ、このまま一気にトップコンテンダーの仲間入り、すわ下手したら参戦初年度でチャンピオンか!?とも思われたのだが、第4戦中国でのハイサイド転倒で両足首骨折、靭帯断裂。以降は怪我を押しての参戦を続けるものの、転倒は繰り返され、第7戦のカタルニアでは転倒時の頭部強打のためについに欠場(ドクター・ストップ)。右手にも皮膚移植を必要とするほどの深刻な擦過傷を負い、満身創痍。先だってのイギリスGPでは復帰したものの、当初見せていたような怖いもの知らずの勢いは多少影を潜めた。
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■autosport.com - MotoGP News: Lorenzo not expecting quick return to formhttp://www.autosport.com/news/report.php/id/68777「僕は別にあきらめたわけでも深刻になってるわけでもない」彼はいう。「何度も転倒したあげく、かかとを骨折したり指を骨折したりとやたらあちこち怪我しちゃったのは最悪だったけど、そのおかげで自分のライディングの悪いところに気づくことができたよ」
「僕はもっと慎重に走らないとだめだね。MotoGPのマシンは、僕がこれまで乗ってきた250クラスのマシンに比べるとデカイしパワーもあるから、一度ミスして転ぶとダメージがでかいんだよ。なんたって世界でたった14、5人しか乗れないマシンだからね。世界最高峰だもん。そのことについてもっと自覚したうえで自分の走りを組み立てないとまともに乗ることすらできないよ」
「今シーズンの終わりくらいまでには、またトップ争いができるようになりたいね。でもいまの僕になにより必要なのは、MotoGPクラスでの経験なんだ。マシンに合ったライディングスタイルについても理解を深める必要がある。それに、いまの僕に一番求められるのは、自分自身に再び自信を取り戻すことさ」---------------------------------------------------------------------------------
*上記斜傾部はロレンソの発言部分のみ抜き出した僕の超訳である。
世間的にはわりかしビッグマウスで尊大な態度のライダーという評価らしいロレンソだけど(僕はそのあたり良く知らないんだ。250はちゃんと見てないから)、なんかこうした発言を聞く限りはずいぶんと謙虚でしおらしい印象すら受ける。転倒を繰り返し、負った怪我の程度も軽くないことから、単に勢いだけで走り続けていてはだめだと気づいた様子のロレンソである。

*写真は「
きれいなジャイアン」(笑)
考えることで速さを増すことができるライダーと、そうじゃないタイプのライダーがいる。ロレンソについてはこれまでは自らのナチュラル・ボーン・ライダーとしての資質に寄りかかって走ってきて、それがMotoGPマシンに乗り換えたことで「このままじゃいけない(死んじゃう!)」という危機感を気づくに及んだ様子が伺える。果たしてそれが自らの走りを変えるきっかけになるか。もちろん、考えて走ったあげくに転倒を恐れて遅くなりましたでは意味がないので、これからしばらくはロレンソは自身の走りの安定感と必要とされるスピードとのジレンマに陥るかもしれない。
でもそれも本当の速さを獲得するためには必要な試練と思う。このままいけば、おそらくはロッシが現役を引退した後のヤマハのエースとなるであろうロレンソである。まだ最高峰クラスは参戦初年度なのだ。いまはじっくりと怪我の静養に努めつつ、MotoGPクラスにおける自らのライディングスタイルの最適解の模索を進めてほしい。ステディ&ファスト。世界チャンピオンになるために必要なタクティクスとテクニックを身につけたとき、ロレンソの走りは真の覚醒を迎えることができると思う。