長いサマーブレイク明けのMotoGP@ブルノ。各チーム、休み中にどれだけの開発を進めてきたのかが試されるラウンドとなる、はずなのだが。
>ブルノ初日、トップに立つダンロップの予選タイヤ(インテリマーク)なんとヤマハサテライトTECH3のシルバン・ギュントーリ、FP2で投入したQタイヤが功を奏し、ギューン!と暫定ポール獲得である。
この快挙は、今期の予選タイヤの本数制限にかからないダンロップだから、と言ってしまえばそれまでではあるが、これはミシュラン、ブリヂストンにとっては将来的な脅威として見過ごしてはならない状況である。なにより同じヤマハのM1を駆るロッシ!いくらFPとはいえ、サテライトのマシンに先行されるなどあってはならないことである。
で、そのロッシ。ニューマチックバルブエンジンの投入はこのレースのあとのテストから、ということで、今回はどうやら従来型のエンジンのモディファイで臨んでいるようであるが、その速さについては従来どおりか、FP2ではミシュラン勢のトップタイムをたたき出したとは言え、ブリヂストン勢の後塵を拝することに変わりなく、やはり一発の輝きを放つにはまだなにかが足りない状況のようだ。

FIATヤマハのマシンには、トップスピードの向上を狙ったドゥカティ風味の新型のフェアリング(アッパーカウル)が投入されているのが目を引くところ。ロッシ曰くその効果は微々たるもののようだが、なにもしないよりはマシである。
※ちなみにM1のカウル変更については
以前のエントリーで僕が指摘したとおりになった。
インテリさんのリポートを見ると、ロッシ、エドワーズとも、リヤタイヤのトラクション不足を訴えているが、これへの対処としては、タイヤの問題はさておけば、リヤのスイングアームの対地角を減らすという方策が考えられるか。ただ、現状のジオメトリとエンジン搭載位置の関係からすると、スイングアームピボットの位置を動かすことは不可能に見える。こうなったらスイングアームピボットを、カウンターシャフトスプロケットの「下」にするというのはどうだろう?
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ヤマハのマシンは特にそうだが、最近のMotoGPマシンはエンジンの搭載位置を高くすることでマシンの運動性を高めている。スイングアームの対地角は、エンジンのカウンターシャフトスプロケット→スイングアームピボット→リヤアクスルおよびそこに張られるチェーンによって規定されるが、エンジンの搭載位置を上げてしまうと相対的にカウンターシャフトスプロケットの位置も引き上げられてしまい、リヤのスイングアームの対地角も大きくなり、コーナリングでマシンが沈んだ時(&トラクションをかけたときに)に適切な位置までリヤサスをストロークさせることができなくなる(ストロークを取ると腰砕けのサスになってしまう)。
通常ではカウンターシャフトスプロケットと上下チェーンの間にピボットが位置するが、これをリヤアームの対地角を減らすために、下側チェーンラインのさらに「下」に移すというのが僕のアイデアだ。そうすることでトラクションをかけたときのリヤアーム角が水平に近くなり、「サスを固めた上で」適切なトラクションが伝達できるようになる気がする。
※もちろんこのままではチェーンがリヤアームに干渉するので、スイングアームピボットの上辺りにチェーンローラーを設置する必要がでてくる。スイングアームにもチェーンを貫通させるための穴を空ける必要もある。フリクションと剛性管理の面ではデメリットもある。当然。
僕はもはや今期ロッシがタイトルを獲得することはほとんど望めないと思っているので、ここに書いたようなモディファイは、来期以降の新型M1を開発するならどうするか、という視点からのことだ。いますぐどうこうということではない。投入が予定されているニューマチックバルブエンジンとあわせ、ここらで何か革新的な新機軸を導入しなければ、すでに現行モデルの開発はやりつくした感もあるM1なのである。そうでもしなければ、ロッシの苦境は救えないと考えている。(さもなけヤマハがドゥカティの完全コピーのマシンを作ればいいだけのことだ)
そして話をブルノに戻せば、FP3のロッシとM1の沈みっぷりったらない。完全にセッティングを見失ってしまっているか、そうでなければ例の税金問題の影響が出ているとしか考えられない。
これからの予選。ロッシに一発の速さは戻ってくるのか。いささか暗胆たる気分で、予選開始を待っている僕である。