ロッシ、連勝。ヤマハ、1-2-3表彰台独占。この法外な結果!本当に信じていいのだろうか?(笑)
■MotoGP第5戦フランスGP、ヤマハ勢表彰台独占!:ヤマハレーシングニュース〜8周目にトップにたったロッシがその後リードを広げ独走し今季2勝目を飾った。2位にロレンソ、3位にエドワーズが入りヤマハが表彰台を独占した。GP最高峰でのヤマハ表彰台独占は2001年のドイツGP以来。〜http://www2.yamaha-motor.co.jp/profile/sports/race/report/result.asp?sche_no=721&div=02
不順な天候で事前の予想が立てにくい状況下で、前戦の中国に引き続き勝利を飾ったのはロッシ。これで完全復調を宣言していいのだろうか。僕としてはどうもここ2戦の勝利は、「運」8割、「実力」2割としか見れなくて、素直に勝利を喜ぶよりは、今後の混戦にさらなる不安を感じてしまうのだけれど。中国、フランスでのレース前後の天候の崩れは、ロッシを援護する「神風*」だと思う(完全ドライで路面温度が高騰した場合のBSタイヤの持ちに疑問が残る)からだ。
*もっとも、そういう「神の加担」なくして、なかなかタイトルというのは獲れないものだ。だからそういう意味では今シーズンのロッシにここでこうして「流れ」ができてきたことには安堵する一面ももちろんある。
そしてまたしても驚くべきはロレンソ!マシンから降りればまともに歩けないような状態で2位である。聞くに中国で負った怪我は、両足首骨折、靭帯も痛めているという当初観測されていた症状よりも遥かに重く、その回復もそこそこに今回のレースである。普通なら走りのステージに立つ前に、気力が先に折れる。しかし彼は走りきり、きっちりと結果を残している。まったく信じられない。ロッシ連勝でポイントテーブルでトップに立ったとはいえ、それを3ポイント差で追いかけるのがこのチームメイトたるロレンソという状況には、これから先長いシーズンの戦いは、激しさを増すばかりであろうことが容易に想像できる。完全復調なったロレンソとロッシの直接対決がいまから楽しみでもあり、不安でもある。お互いにいまのこのライバル関係をネガティブな方向にエスカレートさせないようにしてほしいと切に願うばかりだ。同じチームでつぶしあっては元も子もない。
しかし、返す返すも今季のヤマハのマシンは磐石である。ロッシに限らず、エドワーズ、ロレンソと、誰が乗っても速いマシンに仕上がっている。走りを見ていても、コーナーからの立ち上がりスピードには目を見張るものがある。昨シーズン、ニューマチックエンジン投入後、トラブルが頻発していたことをここでようやく取り返せたとも言えるが、あの苦労あってのこの活躍だろう。あのときに白煙と共に失ったポイントがあったからこそ、いまのこの活躍なのである。一時期ヤマハは、ニューマチックのエンジンを引っ込め、このまま実戦投入はやめてしまうような動きもあったけれど、それを乗り越え、この半年でここまでの戦闘力を持たせたことには最大限の賞賛を送りたい。あとはシーズンを通じての信頼性を保てれば、いまのヤマハのこの勢いは、早々に鈍ることはないだろう。レース後のテストではモディファイされた新型M1が登場するらしいが、それへの切り替えに悩むほどの現行型の活躍である。
ヤマハ大躍進の一方で、失望のレースが続くのがドゥカティである。エースであるチャンピオン・ストーナーはマシントラブルでリタイヤ。これで当面のチャンピオン争いからは脱落が決定した。ましてその他のドゥカティ勢については予選から決勝すべてにおいてもはや見る影すらない。昨シーズン、あれだけ無類の強さを発揮していたというのに、いったいドゥカティになにが起こったのか。僕の見立てでは、今季のGP8はジオメトリ的にフロントに荷重が載りすぎているようで、それがハンドリングの不調を招いているようだ。ブレーキングでアンダー、立ち上がりでオーバー:ガソリンが減ってくるとタイムが出るということからもその症状が読み取れる。それに加えてトラクションコントロールなどの電子制御系の開発が迷走している様子もあり、この状況を立て直すのは一朝一夕では収まらないだろう。ロッシの連勝で、BSタイヤの開発の軸足がそっちに移るであろうこともあり、ストーナーの切歯扼腕が目に見える。ここで持ちこたえるか、音を立ててがらがらと崩れてしまうか瀬戸際である。
そしてホンダ。ペドロサが比較的安定した速さを見せてはいるものの、そのマシンには明確なアドバンテージを感じるほどの圧倒的な速さがないことは事実。ワークスホンダが開発したパーツをサテライトに投入して、そっちのほうが良い結果に繋がっている現状は、いささか本末転倒が過ぎる気もする。投入が遅れているニューマチックバルブエンジンの開発が進めばこの劣勢を取り返せるのだろうか。
スズキはあとひとつ、なにかが足りない。カワサキは今シーズンの結果を求める状況にはないのか。
このフランスGPから、10週の間に7戦を消化する激闘の期間がスタートする。1戦たりとも気を抜くことが許されない、息詰まる戦いが続く。
[追記:ヤフーのトップに踊るヤマハ]

ぬわんと昨日のフランスGPにてヤマハ1−2−3表彰台独占というのが今日の午後中ずーっとヤフージャパンのトップに画像付きで踊っておるぞ。写真に写ってる真ん中のガラの悪いおじさん誰?と思ったらヤマハの古沢御大でござった。これは失礼仕った。
たとえ一時のものとはいえ、ヤフージャパンのトップに広告打とうと思ったらえらいカネかかるわけで、それがこうしてニュース記事とはいえ画像付きで表示されるというのはすさまじい経済効果があった、と言える。ましてやこれがヨーロッパでとなったら、その注目度、広告効果は天文学的な額に跳ね上がる。メーカーが何億、何十億の予算組んでまで酔狂なレースやってる理由のひとつがここにある。勝てば官軍。だからやっぱ勝たないと意味ないのよねレースって。
[追記2:思いとどまるロッシ]
昨シーズン、不調を極め、ドゥカティにけちょんけちょんにやられていたとき、ロッシは「もうやだ!このままならドゥカティに行っちゃうもんね!」と半べそかいていたのが嘘のよう。今シーズンでヤマハとの契約が切れるロッシだが、早くもその延長をにおわせる発言。
■V.ロッシ、ヤマハとの延長契約に前向き | The Official MotoGP Website
〜「08年型M1は、ヤマハがここ数年間造り上げた中で、ベストなバイクだ。05年型はベリーグッドだったけど、比較すると、08年型の方がベターだ。本当にヤマハのベストマシンだ。僅かな時間で、ビックステップできたことが、すごく幸せだ」と、絶賛した。〜
http://www.motogp.com/ja/news/2008/Rossi+claims+Yamaha+renewal+very+likelyいやほんと良かったねえヤマハ。開発に努力したエンジニアも、ロッシのこの発言には思わず涙するのではないだろうか。努力が報われつつあるヤマハ。この勢いのまま一気にタイトル獲得にまでなだれ込んでほしい。それがロッシになるか、ロレンソになるかは想像することすら悩ましいけれど。