ブリヂストンタイヤに履き替えたロッシの、初となるテストがスペインのヘレスサーキットで行われたそうな。
>MotoGP Jerez Test: Valentino Rossi talks Bridgestone(MCN)最終戦の予選での転倒で負った右手の骨折がいまだ完治しない中、基本的には07モデルのままであろうM1で、同じブリヂストンタイヤを履くドゥカティ・ストーナーに遅れることコンマ293秒、ミシュランタイヤを履くホンダのペドロサに遅れることコンマ159秒のトータル3番手タイムを叩き出したロッシであった。自身のタイヤコンバートの決断を正しいものとするためにも、他に匹敵し、凌駕するタイムを出す必要のあったロッシ、諸般のディスアドバンテージ部分を勘案すれば、まずは順調な滑り出しと言えるだろう。
「まだ右手も痛いし、90パーセントの走りだよ」とロッシ。「ブレーキングがキツいし、加速時のスロットルコントロールもうまくいかなかったけど、初のブリヂストンはなかなかの好印象さ」
注:文中の僕の英文翻訳はすべて超意訳である本来ならミシュランとの契約が来年の1月末まで残り、それまではブリヂストンでのテストはできないはずのロッシであったが、今回は「紳士的な企業であるミシュラン」の配慮で、そのあたりについては目をつぶってもらったらしい。「私たちは(ロッシのヤマハへの移籍時にテストに制限を加えた)ホンダとは違いますからね(ケツの穴がでかいでしょう?)」とはミシュラン・ディレクターの弁。いやはやなんとも(笑)
注:繰り返すが、文中の僕の英文翻訳はすべて超意訳であるしかしそのミシュランの度量には今回ロッシは無条件で感謝を示すべきである。本来なら怪我に加えて契約の縛りで来年までタイヤテストはできなかったところなのだ。そのおかげでタイヤについての不安材料(不確定要素)はひとつ消えた。そして、これではっきりしたのは、ストーナーとのタイム差の原因が、ヤマハM1のマシンポテンシャルにあるということだ。(右手の怪我を差し引けばなおのこと)ざっくりコンマ3秒のビハインドのうち、怪我で半分、マシンで半分としたら、ヤマハは同じコースでラップあたりコンマ1.5秒、さらにマシンのスピードを上乗せしなくてはならない。ニューマチックエンジンの開発をあきらめたいま、どこでタイムを稼ぐか。
一方の07チャンピオンのストーナー。さすがのトップタイムを叩き出すも、転倒。幸い怪我はなかったものの、できたてほやほやの08モデルの新車を一台、ゴミ箱行きにするのと引き換えに得たトップポジションだったとか。これはこのところ絶好調のペドロサに加え、自分と同じタイヤを履くロッシの追撃体制が整いつつある状況からプレッシャーを受けての転倒とも取れる。若くして世界の頂点を極めたストーナーである。これからはディフェンディングチャンピオンとしての「守る」立場での走りにどのように適合していくのか見ものである。そして、これはストーナーを支えるブリヂストンとドゥカティも同様だ。初のタイトルを獲得したあと、「追われるもの」としてどのように開発を進めていくか。頂点を極めたあとはどうしても慢心が出るし、開発の余地を探し出し、さらにインプルーブさせていくには、これまで以上のモチベーションが必要になる。タイトルは獲得するより防衛することのほうが難しいと言われるのはその部分だ。来季は否が応でもストーナーはチャンピオンとしての真価が問われるシーズンになる。
以下は今回のテストタイム。
Pos Rider Team Time Laps
1. ケーシー・ストーナー Ducati Marlboro 1:40.221 35
2. ダニ・ペドロサ Repsol Honda 1:40.355 60
3. ヴァレンティーノ・ロッシ Fiat Yamaha 1:40.514 56
4. コーリン・エドワーズ Tech3 Yamaha 1:40.790 47
5. ニッキー・ヘイデン Repsol Honda 1:40.923 63
6. アレックス・デ・アンジェリス Honda Gresini 1:41.111 58
7. ホルヘ・ロレンソ Fiat Yamaha 1:41.230 90
8. 中野真矢 Honda Gresini 1:41.277 65
9. ランディ・ドピュニエ Honda LCR 1:41.313 79
10. ジョン・ホプキンス Kawasaki Racing 1:41.414 49
11. ジェームズ・トズランド Tech3 Yamaha 1:41.776 69
12. マルコ・メランドリ Ducati Marlboro 1:41.889 62
13. A・ドビチオーゾ JiR Scot 1:42.033 60
14. Niccolo Canepa(誰?) Ducati Marlboro 1:42.666 67
15. 岡田忠之 Repsol HRC 1:43.051 42
16. アンソニー・ウェスト Kawasaki Racing 1:43.576 73
17. 伊藤真一 Bridgestone Team 1:44.530 56
18. Vittoriano Guareschi(誰?) Ducati Marlboro 1:44.588 51
マシン、タイヤとも、かなりの平均化が図られていることが伺える結果である。なかなかにいい感じ。
これはひとえにミシュランタイヤの性能が向上したということになるのだろうが、しかしこれもあくまで相対的な結果である。ミシュランは、ロッシという稀代のスターライダーを失ったいま、自社のタイヤで「勝つ」ためには、先を行くブリヂストンに対して、「圧倒的な」性能差を獲得しなくてはならない。ペドロサのポテンシャルだけでストーナーとロッシに立ち向かうのは、いささか無理が先にたつような気がするからだ。・・・しかしこのあたりもホンダの08RCVのポテンシャルアップで埋められるか。とすれば、、、、来年はかなりの混戦を期待してもいいのかもしれない。今年がストーナーぶっち切りで、僕的にはどっちらけたシーズンだったので、来年のデッドヒートにはどうしても期待してしまう。たった一回、シーズンオフのテスト結果ですべてを見通すことはできないけれど。
みんながんばれ。