今季これまでストーナーが独走するレースばかりを見せつけられて、それは今回のオーストラリアでも変わることはなかった。変わったのは場所(コース)だけ。繰り返されたのは、これまでと同じレース。
>C.ストーナー、地元で初V!(MotoGP Official website)おめでとうストーナー。タイトルを決めたあとの地元での凱旋レースである。なにがあっても落とせなかった願いを、彼はその強い思いで現実のものとした。
2位、同じマシン、タイヤのドゥカティ・カピロッシ。ロートルをものともしない走り。後方からの追い上げで、ロッシ、ペドロサを軽くいなしての入賞。圧倒的なマシン性能、そしてタイヤポテンシャルの証明。
そして3位がロッシ。今回はヤマハの都合で旧型(ノーマルバルブ)のマシンを与えられ*、文句も言わずそれに乗り、案の定、今季かつてそのマシンで走ったレースとまったく同じ内容となった。
*MCNだったかの英文記事にそうした記載があった。ドゥカ比でストレートも遅い状態に戻っていたし、事実そうなんだと思う。リヤタイヤの磨耗。これはニューマチック以前のシャシータイプを使用したM1でしつこく発生していた症状であり、それが今回再発したというのは単にミシュランタイヤがだめだった、というだけではない。それはシャシーのジオメトリバランスに端を発する、メカニカルグリップの問題なのである**。現に途中マシントラブルでリタイヤしたとはいえ、同じミシュランを履くヘイデンがストーナーに食らいつき、あれだけ善戦したのである。「リヤタイヤ?確かにズルってたけど、それはストーナーだって一緒だったさ」とはレース後のヘイデンの弁である。
**僕は今季のヤマハM1は、エンジンの新旧でシャシーを変えているのではないかと思っているのだ。それについての考察はこちら([M1好調の裏に。] 参照のこと)。すでに今季のマシン開発を見限って、来季型で一気に遅れを取り返そうというヤマハの魂胆(だからいつ壊れるとも知れないニューマチックのエンジンは引っ込めた)なのだろうが、レースマシンはレースの場でしか磨き上げることはできない。
聞けば来季、ヤマハチーム内ではロッシのみブリヂストンタイヤ供給の話が進んでいるとか(ホンダワークスではペドロサにも同様の処遇が与えられるとか?それに対してはヘイデンは"ahoka"というスタンスのようだ。僕もそう思う(笑)。過去の慣例に習う僕にしてみれば、この1チーム内で複数のタイヤブランドを使い分けるという判断は、個人的には愚の骨頂と思うが、ストーナーと同等の条件で走って、自身の速さを改めて証明したいというロッシの思いはわからずでもない。せいぜいヤマハは、もともとがさして余力のないマシン開発力を、複数のタイヤを使うことで分散させ、結果誰のオーダーにも応えられないマシンを作り上げるというような愚を冒さぬようにしていただきたい(ホンダとは事情が違うのだ)。チーム内でもセッティングデータ等の共有ができなくなるデメリットをあえて受け入れた上での選択だろう。この選択がうまく働かなかった場合は、ロッシさまは単なるわがまま坊やになってしまう。仮にブリヂストンに履き替えて、ストーナーに勝てなかった場合は?ロッシ引退の危機だろう。あるいはその叛旗の矛先は次はヤマハに向けられるのか。
というわけで。
レースとしてはこうなるともはや予定調和の繰り返しである。昔よく見たアニメが夕方再放送されているのを見ているかのごとく。残るレース、果たして眠たげな僕の目を覚ましてくれるような展開は望めるのか。
[んなこた言われなくてもわかってる]
ミシュラン、ロッシに嫌みったらしくちくちくやられてるぜ(笑)
>Rossi: Michelin must improve durability (autosport.com)耐久性が足らないんだよ!と。はは。そりゃもうもちろん。ブリヂストンだって地球製のタイヤだ。おなじ地球に存在する材料を組み合わせれば、同じくらいの性能を発揮するタイヤを作ることは不可能ではない。だいたい、昨年までのミシュランは、まったくいまのブリヂストンと立場が逆だったわけで。
でも僕としては本エントリーで指摘したように、ミシュランタイヤの耐久性は単にタイヤ単体のみの問題ではないのではないかと思ってる。もちろんミシュランの開発が怠惰だったことは間違いないけど、戦犯ミシュランですべて片付けてしまえというのは僕としてはちょっとどうかね、と思う。別にミシュランだって好きで負けてるわけじゃないだろうしさ。
ちなみだけど、もてぎを走った08モデルのM1見る限りは、現行型以上にタイヤに負担を強いるマシン構成になってるように僕には見えた(硬いフレーム・高い車高・動き辛そうなサスペンション)。仮に同じブリヂストンのタイヤ履かせてヨーイドンとやらせたとしたら、ドゥカティvsヤマハではヤマハのほうが先にタイヤがダメになるのではないだろうか。それをロッシがどこまでカバーできるか。レースとは総合力。タイヤを替えればすべて万々歳か。そういう意味ではロッシがブリヂストンを履くことには一定の興味を引かれるな。どうなるか楽しみだ。