先週のもてぎ以来、僕のアタマの中ではもう何百周コースを回ったかしれない。ぐーるぐるぐるぐる。その反芻具合はウシをも越えた。暇さえあれは「あそこはこうすれば良かった」「次はあれを試してみよう」と反省しきりである。僕が毎日の電車の中ですぐに目を閉じるのは、居眠りしてる訳ではない。
さて、そうしたイメージトレーニングを繰り返すうちに、そのときの自分の走りをさておいて、ハード的な部分で大きな疑問符が点灯していることがひとつ浮かび上がって来た。
それは、「タイヤ」。
いま僕のR1には、
IRCが誇るスポーツツーリングタイヤ・SP11が装着されている。街乗りでは癖のない軽快なハンドリングと過不足のないグリップを発揮してくれていたこのタイヤだが、今回それをサーキットに持ち込んで走らせたところ、街乗りでは感じなかった奇妙なフィーリングを感じることになった。
ブレーキングからターンイン。マシンのバンク角を一気に深めて行くその最後の一線で、急速にグリップ感が薄くなる。一定のバンク角を越えると、タイヤの手応えが極端に不確実なものになるのだ。
僕のコンパクトなハングオフの姿勢で、膝が路面に触るか触らないかくらいのリーンアングル、マシンの「最後のひと寝かし」が出来ない。車速を高めた状態でターンに入るほどこの傾向は顕著に感じられ、おのずと僕の走りは、極端なスローインから過大なアクセラレーションで立ち上がって行くバランスを欠いたものになっていった。
最初はタイヤの空気圧が高いのかと思い、210→200→180kpaと走行毎に圧を落として行ったのだが、落とすほどに改善はされたとはいえ、リーンアングルの最後の一線で感じる不安感は、最後まで拭い切れなかった。
ミドルショルダーの辺りまでのグリップ感は相当にしっかりしている分、その先でのグリップの抜ける感じが尚のこと強調されるのだ。タイヤのサイドエンドが使えない。ターンインでの最後の一線、クリップからのアクセラレーションにはかなり神経質な印象を受けた。
事実、走行を終えたタイヤは、リヤは5〜7ミリ、フロントに至っては10ミリ以上サイドエンドが余っていた。僕は元々がリーンアングルよりもターンインでの舵角と立上がりの二次旋回で曲がるタイプのライディングなので、タイヤの端云々にはこだわりはないのだが、走行時のフィーリングからすれば、まだ行けるのに行けなかった感じが残ってる。もちろんその全ての原因がタイヤにあるとは言わないが、やはりサーキットをツーリングタイヤで走るには多少無理があったのかと思わなくもない。他のレーシングスペックを持ったタイヤを履かせたマシンを見れば、コンパウンドの溶け方からして全く違うのだ。一応こんな僕の走りでも、クリップからの立上がりでは、グリップの確実なミドルショルダーを使った加速で、6千回転から1万1千回転まで回す全開走行をしていたというのに、僕のタイヤは全く溶けも減りもしていなかった。全部で20周にも満たない周回数ではあったが、かつてないほどの全開走行をした割には、タイヤは走り出す前とほとんど変わらなかった。図らずも今回の走行で、SP11の耐久性については実証された。
いつのことになるかは分からないが、もし次の機会があれば、このタイヤでサーキットを走るなら、まずは空気圧を徹底的に下げてみたい。前後170kpaくらいでもいいかもしれない。あまり下げすぎると今度は荷重変形に耐え切れずに破綻するから、空気圧の下限設定には慎重にならねばならないけれど…。
うーん、しかしこうなると最近のハイグリップタイヤを一度は試してみたくなるなあ…。言い訳出来ない状況じゃないと、僕はどこまでも夢見がちになりそうだから(笑)