今日は肌寒いくらいの涼しさ。昨日とは10度ほど気温差があるようである。
もう秋だねえ、である。
もっとも、明日からはまた残暑の戻りがあるようなので、今日の涼しさはイレギュラーでしかないようだが。
そんなこんなで、タイトルの件である。
大した距離は走っていないとはいえ、数少ない走行時には、それこそ神経を研ぎ澄ませてバイクの挙動に注意を払って走らせている。乗り換えた当初は、これまでに経験のないクラスの排気量とパワーに多少面食らう部分もありつつ(僕はクオーターマルチあるいは2stクオーターの経験しかない)、しかしそんなものにはあっという間に慣れてしまった。パワーなど所詮パワー。お金と一緒で、あっても困らないし、なくてもそれなりになんとかなる。ただそれだけのものなのである。
マシンに対するおおまかな印象、コンプレインは、
先のエントリーにあるとおりである。日常での使い勝手の悪さが、あまりにせっかくのマシンの素性の良さに影を落としている。僕(ら)はレーシングライダーではないのである。このバイクを購入し、走らせているそのほとんどは、ごく当たり前の、レーシングテイストのバイクが好きな(あるいは興味がある)アベレージライダーのはずであるし、実際に走らせている場所も、一般公道がそのほとんどの比率を占めているはずである。しかしバイクそのもののがあまりに硬派な作りなため、その使用途の大半を占める、日常走行においての我慢を強要される面が大きすぎるのではないかという疑念を僕は抱いているのである。
大事なところのフィーリングが悪い。
それを顕著に感じるのは、まずは先に挙げた低速域でのエンジンのドン付きである。
どんなに神経を払って慎重なスロットル操作をしようと、ほんの数ミリスロットルを開けただけで「ドン!」とバイクは前に出ようとする。リヤタイヤの駆動力が急激に変化し、それは明らかにマシンの挙動すら乱すレベルである。
ブレーキングからリーン、旋回を終え、スロットルを開けて立ち上がるところ、いわばバイクでのコーナリングのキモとも言えるタイミングで、このドン付きが発生すると、正直バイクを走らせる気力すら失せる。やる気を無くす。いくらコーナリング前半で慎重にバイクの挙動を整え、立ち上がりに備えようとも、ここまで酷いドン付きが出てしまえば、それまでの苦労など水の泡なのである。
なんでこんなに酷いことになっているのか。確かにクランクマスが小さいというのもあるだろうが、それだけでなく、インジェクションのセッティングが低速域ではおざなりになっているのではないかと思わざるを得ない。
昔のバイクで言えばキャブレーション、なのだろうが、インジェクションの場合は何というのだろう?とにもかくにも、これはもうちょっとなんとかならないだろうか。
もし僕がケニーロバーツだったら、「こんなキャブ(インジェクター)はゴミ箱に捨ててしまえ」と言っているところである。
そして次に大きなものは、ギアボックス。そのフィーリングである。
普通、400cc以上の排気量を持つバイクであれば、もう少しミッションのタッチにも、その価格に見合っただけの高級感みたいなものがあるはずであるし、そんなものは使ってる材料がしっかりしていれば、自然に備わるものである。
しかしそれがこのバイクにはない。
信号が青になり、バイクを発進させようとクラッチを握り、ギアをニュートラルから1速に落とす。
「どかん!」
!?どこかが壊れたのかと思うような衝撃が走る。これがこのバイクのギアが噛み合う音なのである。
これは明らかにギアのバックラッシュが大きすぎである。だからギアが噛み合うたびにその遊びの分だけの衝撃が発生するのである。期待するのは「スコン・スコン」というタッチであるのに、それが「ドカン・ドカン」である。
これはもともとの設計がそうなっているのか、あるいは単に加工精度が悪いのかのどちらかである。
確かに排気量分、ギアもでかいものがついているから、そのそれぞれのギアの回転慣性も大きく、ギアチェンジにもそれなりの衝撃が出るというのも分からなくはない。だが、これは明らかにそのレベルを越えて、何かが間違っている感を抱かせるに十分である。
ギアシフトの度に伝わるこの安っぽい衝撃が嫌で、僕はいまではそのギアチェンジのほとんどにおいて(アップもダウンも)、クラッチを使うことを止めてしまった。こうすればまだマシなのである。「ドカンドカン」が「ギシュンギシュン」くらいまでになるのである。さもありなん。これだけバックラッシュが大きければ、自然シフトペダルにテンションをかけ、軽くアクセルを抜いてやるだけでギアは勝手に次のギアへと飲み込まれていくのである。デメリットがメリットに変わる唯一の瞬間である。
しかし先のエンジンとこのギアボックスが組み合わされると、そのフィーリングは最悪であることは、容易に想像が付くであろう。バイクがいつどれだけの勢いで前に出るのか分からない。伝わる安っぽい衝撃が、ギアチェンジをすることすら躊躇させる。しかもそれは速度が遅くなればなるほど酷くなる。信号待ちで減速操作に入ることがこれほど気分を重くするバイクというのは他にそうはないはずである。
蛇足までに付け加えると、他にもフィーリング面で気になるがフレーム剛性。聞くところでは、このバイクはあえてフレームの横剛性を落とし、リヤタイヤ側も含めた二輪操舵的な動きを狙い、旋回性を向上させている、ということなのだが、これもあくまで僕の乗った印象では「?」である。
感覚的にはエンジンの背面あたりから、リヤのスイングアームピボットあたりの剛性が、かなり意図的に弱められているようで、それは街乗りレベルでも感じられるくらいである。というか、このバイクはフレーム剛性そのものを「あまり感じない」のである。あえていえばそれは「少し頼りない」印象すらある。
コーナリング初期でフロントタイヤをステアする。まるでクルマのステアリングを切るように。コーナーのアペックスに向けてフロントタイヤを半ば強引にねじ込んでいく感覚である。するとイン側に当てた舵角の分だけ強烈にフロントから旋回していく。これはこのバイクの最高の持ち味であり、強みでもある。突っ込みで曲がる。一次旋回で曲げるのが、このバイクのハンドリングの真骨頂なのである。
そしてその時、フロントタイヤの軌跡を追うように、リヤタイヤが追随する。このときにフレームがよじれ、リヤタイヤのキャンバー角が変化するのが感じられる。確かにここまですれば、フロント+リヤの旋回力を相当に引き出したハンドリングである。強烈に曲がる。確かにここまでは間違いなくそうだ。
しかしこのハンドリングには二面性がある。リーンも終わり、コーナーからの脱出に向けスロットルを開けていくと、通常はその駆動力から、自然とバイクのステアポイントはフロントからリヤに移っていくものであるが、それがこのバイクではあまり感じられない。スロットルを開けた以降の、バンクしたままの状態でのリヤステアを使った二次旋回が弱い。
僕的なライディングの組み立てとしては、この部分での旋回力に大きく期待するところがあるのだが、それがないので、仕方なく突っ込みでの旋回に頼らざるを得ない。実際にこれまでも、二次旋回でコーナーをクリアしようとしてそれができず(スロットルを開けても期待するほど曲がらなくて)仕方なしにスロットルを緩めるということが何度もあったくらいである。
感覚的には、スロットルを開けると、それまでインに切れ込んでいた(倒れ込んでいた)リヤタイヤが、スイングアームピボットを支点に(フレームがよじれて)フロントを残して急激に起きあがってしまうような感じである。
もしフレームの剛性がもう少し高ければ、この不意な動きをセーブできるのではないかと思うのだが・・・。
確かにどんなバイクでもそういう傾向はあるけれど、このバイクは駆動力を掛けると極端に曲がらなくなる。だからクリッピング手前まででしっかりを向きを変え、立ち上がりはマシンを立てて、まっすぐに立ち上がる必要に迫られるのである。しかし、個人的にはこの「スロットルで旋回力のコントロールができない」というハンドリングの味付けはいささか極端ではないかと感じている。
まさかスロットルを開け始めたときのあのドン付きを回避するために、スロットルで曲げられないように一次旋回に頼ったハンドリングに持って行ってるのでは、というのは訝った見方が過ぎるであろうか?
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僕自身はあまり物事のネガティブ評価はしないのであるが、今回はあえてチャレンジしてみた。
それは、ホンダがこのバイクで提唱しているレーシングテイストが、市販車としてはいささか極端で、抑えるべきポイントを逸脱しているように感じており、そうしたポイントを改善さえしてくれれば、これまでにない、レーシングフィールを持った、使い勝手に優れた素晴らしいバイクに生まれ変わるであろうと期待するものがあるからである。
もっとも、こうした声がメーカーに届くには、よほどの僥倖とメーカー側の深い度量が必要となるであろうが・・・・。